岩井の本棚 「本店レポート」 第5回 |
「大振り」のイレギュラー本
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すでに腐女子層に熱い支持を得ている、少年野球マンガ「大きく振りかぶって」。主人公三橋とキャッチャー阿部の関係性や、阿部のかつてのチームメイト・榛名への複雑な思いなど、 腐女子のツボをつく設定が多いのは確かですが、そういう読み方でなくとも単純に高校野球マンガとしての完成度も高く、 誰でも楽しめる作品です。
心理描写から高校九時建ちの日常やメンタリティまで取材の力が大きく感じられるこの作品、 野球マンガ数あれど、僕の中では2004年度の野球マンガでトップでしたね。
「げんしけん」が大学生活とサークルに対しての愛情で成り立っているとしたら「大振り」は部活動に対する限りない愛情(Only少年)で成り立っているといえましょう。
そんな大振り、ですが造本上のミスが相次ぎ、2巻3巻とも初版はミスが見つかっています。
とくに2巻は発売後しばらくして書店から回収されたようです。
以下見分け方です。
(図1)
(図2)
(図3)
(図4)
・初版・再版とも帯は同じ青い帯。
・初版は本来84ページと85ページのあいだにはいるべきカラーページが謝って巻頭にきてしまい、読んでいても話がつながらない(図1)。
再版はその部分が訂正済み(図2)。
(3巻)
・初版・再版とも帯は同じピンク色。
・初版は目次では第9回の始まりは117ページ、とあるが、実際の話の区切りとは明らかに違う箇所。 8回の終わりページに「第8回終わり」の表記があるのが修正された再版(図3・4)。目次のページ表記も修正(図5・図6)。
ただし読んでいて気にならないミスですけどね。
(図5)
(図6)
今平だしされて並んでいるのはほとんどまず再版です。
2巻は1巻の終わりと2巻の巻頭カラーの箇所の話が続かないので、これは明らかなミスで書店から回収されています。
かなりの数が出回っているのでそんなに珍しい、というわけではないのですが、回収本マニアのかたには気になる存在かもしれません。
もし貴方の本棚に既にあるのなら、その箇所を確認してみてください。ミスに気がつくはずです。
そんな大振りの2巻初版、再版大振りよりちょい高い525円で出しますよ。本店2のショーケース内で日曜日に出します。
※この記事は2005年2月19日に掲載したものです。
(担当岩井)