岩井の本棚 「本店レポート」 第1回 |
いじめ本
こちらに掲載の商品は売り切れました。ありがとうございます。
この項では、あなたのコミックライフを豊かにすべく、本店に入荷した本たちを紹介していくコーナーです。ただし、そこにはべつに知らなくてよいことやムダな知識、鬱になるコンテンツが含まれていますので、使用上の用法は守られるように願います。
コミックを楽しむ上で余計なオプション、ダメなプラグインツール集だと思ってくれて構いません。
第1回はいじめ本。
一時期ネットでも盛んに語られた「元気やでっ!」が入荷しました。
90年代いじめによる自殺や登校拒否が社会問題化したとき、ジャンプ系列の少年誌でいじめレポートがやってて、 なんだかダウナーになった人も多かったと聞きます。
どんなにエナジーあるハイテンションな子でも、これを読めばとたんに暗い気分で湿った布団にうつぶせにもぐりこんでしまうくらい、 無限に元気を吸い取られるという、ある意味魔法のアイテムです。
主人公の女子は今まで仲良かった女子グループに執拗にいじめにあい、そして 担任も見てみぬふり、問題を隠蔽しようとすることに終止。
助けのない状況だったが、ただひとりクラスメイトに支えられいじめと戦う決意をする・・・という物語ですが、 ページをめくってもめくっても、腹の中が重くなるだけ、という極悪フォースっぷりです。
そんなに嫌なら学校行かなきゃいいじゃんか! と問題解決にならないことを怒鳴ること間違いなしです。
いじめマンガとしては先駆けだったから、今の本格的ないじめ少女マンガ(KCなかよし系)に比べるとラスト救いあるのがせめてものなぐさめ。
でも学校にいじめをなくせ!とFAX送ったり、街頭でいじめ撲滅運動したり、自分のいじめられ日記を新聞社に送って公開したり、 たぶんそういうことがフツーに出来るいじめられっ子は世間に少ないんじゃないかと思うんですが。
こんなにガツガツ動けるいじめられっ子っていないよ、絶対。
90年代いじめマンガカルチャーを語る上で必須の「元気やでっ!」(210円)と、 「元気やでっ!」が1冊まるまる収録されている「週刊少年ジャンプいじめリポート1800通の心の叫び」(630円)。
この2冊は読んどいて損ないです! ネタとして必要十分だし「元気やでっ!」はうわさを聞いた人が入るたびに抜いてったので、 実は全まんだらけにももうほとんど在庫なしです、早い目に!
本店2のミドルレア系ショーケースに入れてますので、この3連休、いじめについてとっくりと語りたい、と思う駄目コミックダウンローダーの方たちにおすすめです。
余談ですが、この「元気やでっ!」。なんかと読後感似てんなあ、と思ってたのですが、 今思い出せました。カゼひいて休んだら手取りが6万になった!とフリーターの絶望的なまでの未来のなさがリアルに描かれすぎている、 と話題になった先日の「NHKスペシャル フリーター漂流」。それくらいの、アレな感じです。
※この記事は2005年2月10日に掲載したものです。
(担当岩井)